【土田 Tsuchida K】
Kという名の酒
三段仕込みの三段目、留仕込みに使用する仕込み水を日本酒に代えて仕込んだ日本酒が 『K』です。
日本酒に詳しい方ならお察しの、あの製法です。
おとなの事情で製法名を商品名にできないため、ラベルには表示していません。
土田酒造が『K』を発売したのは、昨年(2020)年の2月でした。
当初、試験的に「造ってみたい!」というお酒でしたので、限定醸造のイニシャルシリーズでの発売としていました。
『Initial K』Kの意味合いとしては、もちろん製法の頭文字でKもありますが、人と酒、酒と食、そして人と人を“結ぶ“=”Knot”の頭文字からKと名付けました。
甘い酒=デザート酒のイメージを覆す、食中酒としてもとても可能性を感じる酒となりました。
ドライフルーツ、チーズケーキなどのスウィーツとはもちろん好相性。
食事なら、山椒をきかせた麻婆豆腐、ピリッと甘辛いエビチリなどの中華料理、スパイシーなエスニック料理とぜひ合わせてみてください。
冷酒〜ぬる燗まで、表情を変え食事との相性を結んでくれるでしょう。
氷を浮かべてレモンを少し搾ると酸味がプラスされて軽く飲みやすくなります。
■蔵元サイトより■
土田酒造とは
土田酒造株式会社は、群馬県は川場村という人口3,400人の小さな村に拠点を構える酒蔵です。
創業は1907年、当主は現在6代目で、地元の方々からは誉国光(ほまれこっこう)という地酒の名で親しまれてきました。
私たちは関東で唯一、名誉賞を受賞した酒蔵でもあります。
名誉賞とは、戦前に行われていた日本酒の品評会(現在の新酒鑑評会にあたる賞)に連続で入賞した蔵だけに与えられる名誉ある賞です。
当時酒蔵数は今の倍以上ある中で、 その激戦を連続で勝ち抜いた蔵だけに贈られるこの受賞は、全国でも数蔵のみが成し得たという快挙でした。
それぞれの当主が 時代の中で、よりよい酒造りを目指し 先鋭的な取り組みで維持繁栄して参りました。
現在は、江戸時代に一般的であった生?(きもと)造りという、自然の乳酸菌という微生物を活用した酒造りを展開しています。
使用するお米も低精米且つ食用米へと広げており、材料は3つと空気のみ。
醸造用アルコールや、乳酸、酵素剤、水加工剤など日本の法律でラベル記載義務のない添加物も一切用いません。
米のうま味を引き出し、日本酒の多様性や複雑さを味わい楽しんでもらいたい。
土田酒造はこの技術を次世代へとつなげるべく、日々挑戦しています。
土田酒造は菌を活かした酒造り
我々の日本酒はすべて、 米、水、麹という3つの材料と菌のみで造ります。
蔵にすみついている乳酸菌や、色々な微生物の活動を待ち、促し、生かす生もと(きもと)造りという造り方をしています。
菌の力を引き出す技術を研鑽し、日々発見と学習を繰り返し味の違いや複雑さが楽しめるものの、一方で菌という生き物相手故に失敗とは常に隣合せの酒造り。
それでも近年は、山廃仕込みから生もと造りへとシフトし、また、米の味を引き出すため低精米且つ食用米での酒造りへとチャレンジを重ねています。
個性豊かで多様さ複雑さのある味を醸し出す;現代的な機械設備で江戸時代の製法を貫く酒造りです。
菌と人の協演にて、新しい味を醸し出す。
過去を少しだけ感じる、このうまさを全ての人に、この古くて新しい酒造技術を次世代へ。